・タイプーサム期間にバトゥ洞窟に見に行ったことがある
・衝撃的な瞬間を見ることになっても構わない
・より近くで信仰者さんたちを見たい
毎年1月末から2月始めにかけて(※毎年期間は異なります)マレーシアで行われるヒンドゥー教の奇祭「タイプーサム」。
そのクライマックスはマレーシアの観光スポットとしても有名なヒンドゥー寺院「バトゥ洞窟」で見ることができ、毎年観光客やプロカメラマンなどがその貴重な瞬間を見ようと押し寄せます。
ただ、バトゥ洞窟で見られるタイプーサムは実はほんの一部。
タイプーサム1年目(2023年)は子連れ&初ということもあってその瞬間に立ち会うことに必死でバトゥ洞窟に行きましたが、
タイプーサム2年目(2024年)はより信仰者さんを間近で見届けるため
バトゥ洞窟に到着する手前で体を清めたり祈りを捧げるスンガイ バトゥ川に行ってきました。
このスンガイ バトゥ川で見た光景は1年目のバトゥ洞窟以上に衝撃的なものでした!!
新たな視点でタイプーサムを見たいと思う方は必見です!


2025年のタイプーサムは2月11日(火)です!!!
タイプーサムとは
タイプーサムとはヒンドゥー教、特にタミル人のお祭りです。
南インドやスリランカの北部東部に住む民族。
そしてこのタイプーサムの祭りが開催されるのは、インド系の中でもタミル人が多く住むとされているマレーシアとそのお隣のシンガポールのみです。
え?ヒンドゥー教と言えばインドじゃないの?とお思いでしょうが、なんと本場のインドではこのお祭りの内容があまりにも過激であるため開催が禁止されています。



「奇祭」と呼ばれる所以は目次「スンガイ・バトゥ川周辺で私が見たもの」、「バトゥ洞窟で私が見たもの」で写真と共にご紹介します。
苦手な方はスキップしてください。
ちなみにこのタイプーサムの語源はヒンドゥー暦の月の名前の「タイ」とタミル語の星の名前の「プーサム」から来ています。


儀式について


外国人や観光客はタイプーサムの当日にその様子を見ようと押しかけますが、ヒンドゥー教徒の儀式を伴う準備は1か月前から始まります。
まずタイプーサムに向けて断食や禁欲、またベジタリアンフードのみを摂取する生活により体を清めます。
そしてタイプーサム前日深夜24時頃からKLのチャイナタウン近郊にあるスリ・マハ・マリアマン寺院からヒンドゥー教の神様ムルガンの巨像が祀られているバトゥ洞窟まで夜通し行進します。
それだけでもなかなかハードですが、中には体や顔に針やフック等を刺した状態で行進している人もいます。(ひえー!!)
神への強い忠誠心を表すためには自己犠牲もいとわない、ヒンドゥー教の教えからくるもののようです。
また「自己の感性を研ぎ澄ませる」という意味合いもあるようです。
「より厳しい苦行」を行っているのは男性が多く見受けられますが、女性や子供もミルクポット等重いものを担いで行進。
そしてそんな極限状態の中、カラフルで有名な272段の階段を上り最終目的地であるバトゥ洞窟内にある寺院を目指します。


この先の内容を読む前に…
今回はタイプーサム見学初心者向けの情報ではなく、2回目以降の見学者に向けての内容です。
バトゥ洞窟は限られた道幅に、信仰者、そしてその信仰者を支えるサポーターの親族、大勢の見学者がごった返していて、なかなか間近で信仰者を見ることはできませんでしたが、今回は違います。
比較的間近で見学できたので、その分比例して衝撃的な光景も多く見ました。
苦手だと思う方はこの記事をスキップすることをお勧めします。



冒頭にも紹介したように、川でのお清めの場をメインで見学するためバトゥ洞窟内での様子やバトゥ洞窟へのアクセス方法については以下記事をご参照ください。


スンガイ・バトゥ川へのアクセス ※Grabの場合


スンガイ・バトゥ川は上記MAPの通り、バトゥ洞窟の西側に南北に流れる川です。
今回はなるべく身軽に動きたかったので、子無しで友人とGrabで参戦しました。



ちなみに2年目の私の作戦は
・子無しで友人との参加 ※1年目は家族(子連れ)で
・7時30到着 ※1年目は9時到着
・Grabで向かう ※1年目は自家用車
でした!
目的地はシンプルに「バトゥ洞窟」に。
我が家からですと、バトゥ洞窟の東側から近づいていくというルートになっていました。
バトゥ洞窟周辺はDrop-Offで停車するのも許されておらず、警備員からスピード落とさず進め勧め、とジェスチャーされ一旦バトゥ洞窟を通過。
停車禁止区域が抜けたというところでささっと下してもらいました。(以下地図のピンを参照)
この辺りはバイパス?のような道と、下道が上下で重なっていて、地図だけではイメージしづらいと思うので合わせて写真も紹介します。




バイパスのような高い位置を走る道路で、川はほとんど見えずどこを目指していいのか分からず、とりあえず反対車線に渡ってKTM Batu Caves駅に続く道の方に歩いて向かってみました。




線路があって川側に横断することは叶わなかったので、結局Batu Caves駅を目指して歩道橋を渡り線路の向こう側(川側)に渡りました。



電車で行く方が川に行くのは楽だと思います!


渡ってしまうと人の流れに沿って歩いていくと川が見えてきます!







正確にどこか、というのは人の多さもあり覚えていないのですが、
カーブしている道路の高架下が一番人が集まっていましたので、ぜひ目印にしてみてください
道中の様子


駅周辺は沢山の人で賑わっていました。
髪、髭を剃る特設テント
男性は巡礼の前に身体を清める儀式の一環で、髪や髭を剃ります。



前回バトゥ洞窟内では、既に綺麗に反り上げている状態で巡礼する信仰者しか見なかったので、ちょうど剃っている瞬間を見れてよかったです。






無料で食事を提供するアナダーナム(Annadanam)


行列が出来てたこちらは、後で調べたら巡礼者たちへの奉仕活動の一環で、アナダーナムはヒンドゥー教の中でも特に高い徳を積む行為になるそうです。
ヒンドゥー教徒以外でも頂ける(勧めてくれた)という内容もSNSで見ましたが、積極的に並びにいくのは個人的にはやめておきたかったので素通りしました。
スンガイ・バトゥ川周辺で私が見たもの


こちらでは人によっては衝撃を受ける写真を多用しています
この先を見るかはご自身の判断でお願いします
川のほとりには身体を清めるシャワーが設置されていました。





川で清めるという選択肢しかないと思っていたので驚きでした!
川の様子


川岸は結構汚いです。
正直ゴミなのかお供えものなのかよく分かりませんでした…


儀式の様子


川の近くではお供えものを取り囲む団体がいくつかありました。
儀式を終えて、カバディと呼ばれる神輿を担ぎ直す人、お清めが終わったのか服を整える人など、
団体によって巡礼のタイミングはまちまちなので様々な光景が見ることができます。




この団体は親族なのか、町内会のようなものが存在するのか…。
とにかく見守ります。





ChatGPT情報ですが、バトゥ洞窟に奉納する前に川でお供え物を供養している状況のようです







細かな意味や次に何が行われるのか分からなかったので、とにかくお供え物のお清めが始まったら、ベストポジションを確保するといいと思います
その後そのままその団体の様子を見ていると、以下写真の男性が金属の串を刺す瞬間に立ち会えました。




刺した瞬間の表情は見えませんでしたが、髭の間を貫通する瞬間は見ることができました。
痛みに耐える、というような素振りは全くなく、振り向きざまの彼の表情はとても穏やかでした。




その後も背中にフルーツがぶら下がったフックを刺していく瞬間や、


ヒンドゥー教で浄化の象徴として扱われるニームの葉を吊るしてい光景も見ました。








行進の様子


川でいくつかの団体のお清め・儀式を見届けた後は、バトゥ洞窟に向けて再び出発する団体たちについていくことにしました。
行進が始まると、苦行を行う信仰者を鼓舞する太鼓に合わせて踊り始める人や、トランス状態に入る信仰者たちも徐々に増えてきます。
時間帯の問題もあるかもしれませんが、前回のバトゥ洞窟での見学よりも多く踊る人を見ました。







日常でなかなか見ない表情、感情が爆発する瞬間を見て圧倒されました!




川からバトゥ洞窟は交通規制がされた車道を通って向かうので、道幅が広く信仰者以外の見学者がついていくのも安心でした。
道中大きな神輿をその身一つで引っ張る男性にも遭遇しました。




バトゥ洞窟内で私が見たもの


バトゥ洞窟内はこれから階段に上っていく左側レーンと、奉納を終えて下りてきた右側レーンで分かれていて
人口密度がとても高いです。


前回も感じましたが、バトゥ洞窟内では階段を上る信者たちの歩みに合わせて行進スピードがぐっと落ちます。
自分のペースで前に進めないことから、精神統一をしたり自分を鼓舞するように踊ったりすることで気持ちを保とうとしている方が多く見られました。




ムルガン像に近づけば近づくほど自分の足場がほとんどなくなっていくほど人でぎゅうぎゅうになって行くので今回も手前で引き返しました。
川周辺で見学をする方への注意点


バトゥ洞窟内に比べて川での見学の方が圧倒的に信仰者に近づけます。
ただその分必ず儀式の邪魔にならないようにするのが鉄則、です。
装い・持ち物
またなるべく悪目立ちしないように
・シンプルな装い
・荷物は最小限
・運動靴(川エリアは砂利やぬかるんでるところもありました)
・帽子(日が昇ると一気に熱くなる、あと人の熱気もすごい)
・タオル
・お水
で行くのが良いと思います。
見学する時間帯にもよりますが、日が昇ると一気に暑くなります。
また人の多さや熱気もすごいため、熱中症対策もした方がベターです。



私は露出度が少ないジムウェアに、小さなバッグに貴重品、そしてスマートフォンをストラップ付のホルダーを肩から掛けていくだけにしました。
撮影のマナーについて
実際は川にもかなりのカメラマンたちが集結しており、儀式を始めようと信者たちが供え物を取り囲むような動きをし始めたとたん、
カメラマンのベストポジション争いが始まります。
私自身も写真に収めたくて行った身なので同類と言われればそれまでなのですが、
ちょっとやりすぎでは?と感じるカメラマンの行動も多かったのが個人的には残念でした。


特に針を刺す瞬間は酷いものでした。





カメラに詳しくないのであれなんですが、一眼でこんなに至近距離に近づかないと撮れないものなんでしょうか…
個人的には撮影するにしても、スマートフォンのズーム機能で少し距離を取って撮影する方がいいと思います。



私の写真は全てiPhone 16Proの2倍or3倍ズームで撮りましたが
スマホでも十分その瞬間を鮮明に思い出せるほどのものが撮れたなと思っています。
※趣味の範囲の話なんですけどね
少し苦言のようなことを書いてしまいましたが、
信仰者さんの苦行の様子よりも、周りのカメラマンが少し不快だったこと。
実際このブログを見てくださる方に写真で客観的に見て、そのことも感じて欲しいという願いも込めて思い切って書きました。
まとめ


写真を見て頂けると分かる通り、今回スンガイ・バトゥ川周辺で見たものは、1年目バトゥ洞窟内で見た光景よりもハードなものが多かったです。
信者との距離も近く(もちろん邪魔にならない距離を保つ前提で)、細かな表情の変化・息遣いなども感じることができ、この儀式に真摯に向き合う姿をより感じられたなと思います。
巡礼者たちは周囲の見学者たちのことをあまり気に留めていないように感じました。(もちろん内心は分かりませんけどね
そうこちらの都合よく感じてしまうほどに自身の苦行と行進に集中されていました。
そのため個人的にはこの距離で危険と感じることはありませんでした。



しつこいようですが、タイプーサムを見に行かれる方は
①儀式の進行の邪魔をしないで静かに見る
②適度に距離を取る
を心がけるようにしてください。