・マレーシアの歴史に興味がある
・日本語ガイドでしっかり内容を理解したい
・マレーシア視点で見る世界各国の歴史に興味がある
・涼しく観光できるスポットが知りたい
その国の歴史や貴重な資料を一度に見て回ることができる「博物館」は、海外旅行の観光先定番スポットの一つです。
日本の旅行会社が提供する団体ツアーであれば日本語の説明もありますが、個人旅行で博物館や美術館に行くと「ふーん」「すごいなぁ」といった感想で終了、スマホに残った写真を後日見返してもよく分からない…よし削除。はよくあることではないでしょうか。
今回ご紹介するマレーシア国立博物館(Muzium Negara)では無料の日本語ガイドツアーがあり、約1時間で旧石器時代から現代までのマレーシアの歴史をしっかりと学ぶことができます!
ツアーの流れ、実際に参加してみた感想も合わせてご紹介します。
マレーシア国立博物館 Muzium Negara
国立博物館は1963年8月31日に開館し、2023年でちょうど60周年を迎えました。
元々はマレーシア初代首相ヤン・テラマット・ムリア・トゥンク・アブドゥル・ラーマン・プトラ・アル=ハジが自国の文化や遺産、自然について展示できる博物館の必要性を訴えたのが始まりで、1945年3月の空爆の被害にあったセランゴール博物館の跡地が博物館として生まれ変わりました。
建物の設計は建築家ホー・コク・ホー氏によるもの。
マレーシアの宮殿をイメージした外観、そして正面玄関両脇を飾るイタリア技法のモザイク壁画はマレーシアの歴史を描いており圧巻です。
また2015年にはNational Heritage Actに基づきHeritage Buildingの一つに選ばれています。
館内入ってすぐに60周年を祝うパネルがありました
チケットを購入しよう
階段を上がって右側にチケットカウンターがあります。
さすが国立!NON-CITIZENでも大人RM5とは良心的!
そして館内へ。
館内について
館内は
Gallery A:Pre-History (旧石器時代~)
Gallery B:Malay Kingdoms (マラッカ王国時代~)
Gallery C:Colonial Era (植民地時代~)
Gallery D:Malaysia Today (独立から現代まで)
で構成されています。
中央は吹き抜けになっていて解放感があります。
1階中央は特設展示スペースのようでこの時は世界のおばけ?の展示がされていました。(ユニーク!)
日本語ガイドツアーについて
毎週金曜・土曜の10時より約1時間行われています。
事前予約は不要で10時前に受付を済ませていれば、そのあたりで待機されているボランティアガイドさんがいるので声をかけてみて下さい。
また10名以上の団体でのガイドが希望の場合は2週間前までに問い合わせが必要です。
詳しくは下記リンクまで。
ボランティアガイドの募集もある!
実はこのボランティアガイドは不定期で募集がかかるのでそれに応募して研修を受けると誰でもなれるんです!
研修費用は無料で、マレーシアの歴史や文化の知識やガイド経験を積めるので興味のある方はガイドする側になるのもアリです。
ただしやはり「国立博物館」のガイドとなるので、研修期間は約6か月とみっちり行うそうです!
知識もしっかり身につけられるし、人前で話すことにも慣れたり色んなスキルを磨けそう!
Gallery A : Pre-History (旧石器時代~)
ちーたろうメモ
・マレーシアは日本の国土の90%の大きさ
・国土のうち60%が熱帯雨林
・人口は日本の人口の25%
・2万年前の氷河期の影響で出来た陸が図の横線の部分
・1万年前に今の地形になった
旧石器時代・新石器時代
ちーたろうメモ
・旧石器時代の石器はマレーシア西部にあるペラ州コタタンパン遺跡で見つかる
・新石器時代は4千年前からで農耕牧畜が始まる
・新石器時代では火を使うようになったり石器の表面が磨かれるようになる
ちーたろうメモ
・ペラ州のコタタンパンの石器作業場の近くで発見されたもの
・1万年前のものとされている
・頭から先まであるのがとても貴重
・40-45歳の男性の骨で左腕に障害を抱えていたことが分かっている
・それにも関わらず当時の寿命より20年も長生きしたと見られている
青銅器時代/鉄器時代
ちーたろうメモ
・青銅器はベトナムのドンソン地域から伝わった
・石碑にはサンスクリット語でインドからの航海を経てペナンに無事着いたことへの感謝の言葉が表現している
・ケダ州のブジャン谷王国がインドー中国間の交易の中間拠点として栄える
・この時代の交易は季節風だより
・南西から北東に向きが変わる(雨季)時期=中国からインド方面に向かう交易においてマレーシアが風待ち場所&物資の補給場所になっていた
Gallery B:Malay Kingdoms (マラッカ王国時代~)
ストゥル王国とはタイとの国境近くにあった国で、約120年前にタイ側の領土になっているそうです!
ちーたろうメモ
・マカラを模った石像はブジャン谷で発見された
・神社の狛犬のように寺院の左右に飾られるものだった
・マカラは前半身が像で後半身が魚の姿をしている
・観音菩薩像は8本ある腕の1本が欠けた状態で発見される
・虎の皮の腰布をしているのが珍しい
マラッカ王国時代
ちーたろうメモ
・1400年頃 スマトラ島の王によって統治される
・船や商人が集まりやすい土地だった
・マラッカ王国が栄えた理由①一度に沢山停泊できる港だった②国が安定していた③設備が整っていた④明と仲がよかったから争いに巻き込まれなかった
・黄色の服を着たのが統治者、それ以外は宗教学者
・王が改宗しイスラム教が広がったのが今の基盤になる
王が改宗した理由はイスラム商人とのビジネスを優位に進めるためだったとかそうじゃないとか
マラッカ王国以外の王国
ちーたろうメモ
・クアンタン州の王家に伝わるワヤンクリ
・ガムランの響きと一緒に披露される
Gallery C:Colonial Era (植民地時代~)
イスラム教の広がりがポルトガルのリスボンまで広がった時期。
香辛料を求めて直接アジアに行こうとポルトガルが船を出したのもこの時期。
ちーたろうメモ
・マラッカはポルトガルからの3度目の攻撃で1511年に陥落
・マラッカのスルタンは南に逃れる
・そこで築かれたのがジョホール王国
・黄色の服を着たのが統治者、それ以外は宗教学者
・王が改宗しイスラム教が広がったのが今の基盤になる
ちーたろうメモ
・フランシスコ・ザビエルがキリスト教布教にマラッカへ
・既にイスラム教が浸透しており結果が出せず
・日本の高知出身のジョン万次郎と出会い日本へ布教しにいくことに
・ポルトガルの後はオランダも侵攻を進めてきた
・オランダを支援したのが以前ポルトガルの侵略で南に逃れたジョホール王国
・40年間の激闘の結果オランダがマラッカを統治
・オランダはインドネシアのジャカルタ地域を中心に貿易活動をする
・香辛料の価値が下がってきたためオランダが目を付けた次の国は日本だった
・次に侵攻してきたのがイギリス
・中国との貿易のためにペナンを中継地点に
・ペナンで一方的に領土宣言
・イギリス東インド会社のラッフルズはシンガポールにも手をかける
この辺りから少しずつ日本が登場して自分の知識と紐づいていくのが楽しかった!
イギリスの後から全部もぎ取っていく感がすごい…
ちーたろうメモ
・ペラはスズの産地
・この当時スズ鉱山に住む中華系との争い、ペラの後継者争いなど内紛がありイギリスに助けを求める
・イギリスに都合のいい条約で進められるきっかけに
・探検家のジェームスブルックがサラワク州で王国を作る
・この白人王国が100年続く
産業の発達と民族の流入
ちーたろうメモ
・ゴム産業=労働者は南インドから
・自動車産業や缶詰産業の発達によりスズのニーズが上がる
・スズ鉱山の労働者の確保のために中国からたくさんの移民を受け入れる
・今の多民族国家に繋がった(?)
日本統治時代
ちーたろうメモ
・コタバルに上陸
・55日でジョホールまで侵攻
・1942年2月15日に日本の支配下に
・マレー半島の侵略には小回りの利く自転車が使われた
・民族によって日本の対応は違った
・日中戦争の影響か中華系に対して特に厳しかった
Gallery D:Malaysia Today (独立から現代まで)
ちーたろうメモ
・戦後イギリスがマラヤに戻ってくる
・戦時中にマラヤから逃げたイギリスに失望
・マラヤ連合を提案
・スルタンの権限をほとんど奪い、マレー民族以外の人にも同等の権利を持たせるというもの
・マレー民族が反対しマラヤ連合は破棄された
・2年後にマラヤ連邦を提示
・今回はマレー民族の特権あったことでマレー民族の反対もなかった
・連盟党がイギリスからの独立を目指す
・総選挙の翌年にイギリスロンドンに独立交渉団を派遣、3週間の交渉
・1957年8月31日 マラヤ連邦が独立
サバ、サラワク、シンガポールも入ってマレーシアとなったが、インドネシアが猛反対、またフィリピンはサバはかつては自分の領土だったという主張から周辺各国とのいざこざもあったみたい。
その後シンガポールは中華系が多く、マレー民族への優遇体制が合わず独立することになったそうです!
今の国旗になったのはシンガポール独立後で最初から連邦直轄ありきだったのかと思ってたので勉強になった~
ルックイースト政策
マハティール首相による政策。
・KLIAメインターミナルは日本の建築家によるもの
・マレーシア国産車メーカーPeroduaはマレーシア政府とダイハツの共同出資によるもの
・二輪車メーカーModenasは川崎重工が資本参加した合弁会社
マレー半島にいる先住民。
マレー語でオランは「人」、アスリは「元来の」を意味する
ギフトショップ
地下階段を下りるとギフトショップがあります。
屋外施設
アクセス
マレーシア国立博物館 Muzium Negara
Jabatan Muzium Malaysia, Jln Damansara, Perdana Botanical Gardens, 50566 Kuala Lumpur, Federal Territory of Kuala Lumpur
TEL: 0322671111
月~日:9:00~17:00
<電車の場合>
MRT Musizum Negara駅で下車後出口Bに進む
<Grab利用の場合>
KLCC中心地より約14分
まとめ
一言で言うと本当に来てよかった!!
マレーシアで生活する中で断片的に知ったマレーシアの知識がしっかりと時代に沿って理解できました。
まさに点と点が線になった、という感じ。
それに日本の教育では東南アジア諸国の歴史は駆け足であったり、主語が日本や欧米列国ばかりなのでこうしたマレーシアから見る世界情勢やマレーシア国内の激動の歴史を知るというのはとても新鮮でした。
しかもそれを母語で聞けるという環境に感謝しかないな、と感じました。
約1時間で先史時代から現代までをガイドして下さるのでかなりの情報量です。
参考までにガイドを聞きながら必死に取ったメモをそのままの箇条書きで一緒に添えてみましたが、聞き間違いやおかしな部分があるかもしれませんがご容赦下さい。
特にGallery C&Dは疲れてきて自分のメモの意味がよく分からず大分省きました。笑
これはマレーシアで生活するならば必ず行ってほしい場所かもしれません。
また親世代や子世代にも勉強になるので、日本から家族が遊びに来る際の案内スポットにもオススメです!!
コメント
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